「バカシンジの奴遅いわね。」

私は見ていたTVから目を離して、時間を確認するために壁に掛けてある時計を見ながらつ

ぶやいた。

その時計の針はもうすぐ八時になる様子を告げていた。

もしかしたらなんか事件に巻き込まれたんじゃ・・・・・私は少し心配になってミサトに連絡を取ろうと

思ったけど、シンジには護衛も付いてるし。

もし何かあったら、私の携帯に連絡が入る事を思い出した。

でも少し心配だな・・・・・私はそれからその事ばかり思ってた。

それにしてもお腹へったな・・・・・

グゥ〜

あ、そんな事を思うとお腹の虫も鳴り始めた。

しょうがない、何か作るか。

私はそう考えて、見ていたTVを切って。なにか食べる物を作るために、台所へと歩いて行

った。

「なにか食べ物・食べ物と」

とつぶやきながら、冷蔵庫を物色していると。

「ただいま」

と玄関からシンジの声が聞こえた。

「おそ〜い、いったいどこ寄り道してたのよバカシンジ。」

とさっきまでの心配をよそに言いながら私が玄関に歩いていくと、そこには笹を持ったシンジが立っていた。




七夕
華王



「シンジなによそれ。」

私は笹を指差しながら言った。

「あれ、アスカ知らないの?これは笹て言うんだよ。」

シンジはなんそんな事を聞くの?て顔をしながらまじめに答えた。

「そんな事くらい私だって知ってるわよ、私が言いたいのはなんであんたがそんなの持って

るのか?て事よ。」

「ああ、これね。トウジの家の庭に生えてたから一本貰ってきたんだ。」

「ふ〜んそれは解かったけど、あんたそれどうするの?まさか部屋に飾るわけじゃないでしょうね。」

「え、飾るよ。だって今日は七夕でしょ?だから飾ろうと思って。」

「え?七夕?なにそれ?」

私はその『七夕』という言葉を知らなかった。

「ああ、アスカは七夕知らないんだ。」

「知らないけど・・・・七夕ていったいなに?」

「うんじゃあ晩御飯のしたくをして、食事をしながら教えるよ。」

そう言うとシンジは笹を居間に立てかけると、晩御飯を作りに台所へと行った。

でも七夕てなに?



「・・・・・が七夕なんだ。」

「へえ、悲しい話ね。」

私達はシンジが作った晩御飯を食べながら七夕について話しあっていた。

どうやらシンジの話だと七夕が悲しい話だという事は解かったけれども、なぜ笹が関係して

くるのか解からない。

その事をシンジに聞いてみる事にした。

「で、七夕と笹の葉はどうゆう関係なの?」

「え、そんなの僕も知らないよ。」

「な〜んだ、あんたも知らないんじゃない。」

「そ、そうだよ。」

「まあそれは別にいいけど、この笹をどうするの?」

「うん、折り紙とかで綺麗に飾り付けをするんだよ。あと願い事を書いた短冊を掛けたりも

するけどね。」

「短冊?」

「うん、短冊に願い事を書いて飾っておくと書いた願いがかなうんだって。」

「ふ〜ん、そうだなんだ。」

「うん、そうだよ。短冊は後にして飾り付けをしようよ。」

「そうね」

そうして私達は晩御飯を食べ終えると、笹の葉に飾り付けを始めた。

始めのうちはなんとなくめんどうだったけど、いざ始めてみると意外と楽しかった。

折り紙でいろいろな物を作るのも始めてだったし、味気ない笹がその飾りで少しずつ美しく

なっていく様子も見ていて気持ちがよかった。

でも・・・もしかしたら・・・・シンジと一緒だったからかもしれないけど・・・




「これで終わりと。」

それから小一時間ほどして笹の飾り付けはほぼ終わった。

「どう、アスカ。」

シンジが少し誇らしげな顔をしながら私の方を向いて質問してきた。いつもそれぐらい余裕

を持っていて欲しいな〜と、心の中で思いながら私は答えた。

「まあまあなんじゃない、まあこの私が手伝ったんだから当たり前だけど。」

内心、素直じゃないなと思いながらもついそう答えてしまう。

ホントは、シンジの事を誉めてあげたいのに・・・・

私はチラッとシンジの顔を盗み見た、あ〜あやっぱり落胆してる。やっぱり素直に誉めてあげればよ

かったかな・・・・

でもシンジはすぐ表情をもとに戻すと。

「じゃあ、短冊に願い事を書こう。」

と言ってくれた。

やっぱりシンジは優しいな・・・と、その様子を見ながら思った。

私も少しは素直になるか、と思い。

「うん、書こう。」

と素直に答えた。

シンジはさっき用意した短冊を二人分の分けると、一旦自分の部屋に戻ってマジックを二本

持ってきた。

そして短冊とマジックを「はい、アスカ」と私に渡してくれた。

「ありがとう、シンジ。」

私はそう素直に言う、二人で短冊に願いを書き始めた。

しばらくは私も素直に書いていたけどだんだん飽きてきた。飽きてくると他の事の注意が

いくもので、だんだんシンジが何を短冊に書いてるか気になってきた。

何か書いてるんだろうな・・・・私の事かな・・・・それとも・・・・・

あ〜もう、気になってしょうがない。

私はシンジに直接聞く事にした。

「シンジ、あんたの書いた短冊見せなさいよ。」

「な、なに言ってるんだよアスカ。」

私がそう言うと、シンジは慌てて書いていた短冊を隠して慌てながら言った。

気になる・・・・シンジのそんな態度を見るとよけいに気になった。

「ほら、見せなさいよ。」

「嫌だよ!」

シンジはそう言うと怒って自分の部屋に行ってしまった・・・・

あ〜あ、また失敗しちゃった。せっかくいい雰囲気だったのに・・・・

私はしょうがないので書いた短冊を一人で笹につるすと、足取りも重く自分の部屋に歩いて

行った・・・・



その夜・・・・

アスカ寝たかな?

僕は夜遅くに起きだすとさっき書いた短冊を手に笹の前に立っていた。

早く付けないとアスカやミサトさんが起きて来ちゃうからな。

僕はそんな事を思いながら、笹目立たない所に短冊を掛けていった。

これでよしと。

全ての短冊を付け終えると僕は満足して部屋へと帰って行った。

そしてその短冊の中で一番目立たない所にある物にはこう書いてあった。

『マユミさんとまた会えますように』

と。







後書き

どうも華王です。

めでたく当山岸 マユミ補完委員会も4000HITを迎える事ができました。

これも皆様のおかげです。

さてこの話ですが皆さん最初はLASか?と思ったのでは?

ここはマユミ補完ですよ皆さん。ニヤ/ー\
(けして華王がLASを書きたくなったわけはないですよ。)

さてlこのLMSは忙しくてUPできなくてボツになった物をサルベージした物です。

それを一部修正してリニューアル版をHIT記念でUPする事にしました。(短いですけど)

まあ父の日と同じですね。

まあアスカの視点で話が進むので、LASぽいんですけどね。

では次回?000HITで。



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