『アスカ。アスカはパパのこと好きかい?』

「うん、アスカねパパのことだ〜い好きだよ!」

『そうかい、アスカはいい子だね。』

「うん、アスカはいい子だよ。」

『さあ、アスカこっちへおいで。』

「うん、パパ。」

「あれ、パパどうしたの?」

「やめてよパパ。」

「やだよ、パパ。ねえやだよ、やめてよパパ。」

「いたいよパパ、いたいよ。」

「いかたいからやめて、お願いやめてよパパ、アスカもっといい子になるから。」

「お願いやめてパパ」









− 数年後 −









「汚されちゃった、私また汚されちゃったよ。」

「私の心、汚されちゃった」

「心はまだ綺麗なままだったのに・・・」

「どうしよう、汚されちゃったよ。」

「加持さん、私汚されちゃったよ。」

「心だけは綺麗なままでいたかったのに。」

「私汚されちゃったよ。」

「ねえだれか、だれか私を助けて。」

「お願いだから私を助けて。」










夢なら・・・・・
華王























『アスカ行くわよ。』

そう決心すると、私はシンジの部屋のドアを開けた。
シンジはベットに寝転びながら、イヤホンをして雑誌を読んでいた。

「ねえ、シンジ。私としたい?」

そして、できるだけ相手を誘うような声で言う。

「え?」

シンジは私の声が聞こえたのか、振り返った。
そして読んでいた雑誌を閉じるとベットから起きあがりながら、イヤホンを外し間抜けそ
うにそう返事をした。
その様子を見ながら思った、こいつはホントにバカねと。
でもそのバカ以下の私はいったいなんだろう?
私はそのバカにすらなれないというのだろうか?
あれほど一生懸命がんばったの・・・
もう、エヴァに乗れない私は日本にも居られない。
アメリカの父の所にいく?
そしてまた玩具になるの?
そんなの論外だ。
だからシンジのモノのなって日本に置いて貰うしか方法がないんだから・・・・

「したい?て聞いたのよ。」

「え?したい?なにそれ?新しいゲームでも買ったのアスカ?」

「違うわよ!わたしとセックスしたいかて聞いてるのよ。」

「い、いったいどしたんだよアスカ?なんか今日は変だよ。たぶんまだ疲れてるんだよ早
く寝た方がいいよ。」

シンジは突然の事でかなり動揺し顔を赤くしながらも、どもりながらもそれだけは言った。
私はその言葉を無視すると、そのままベットに近づくとシンジの手を取り自分の胸に押し
当てた。
でもシンジは顔を背けて、手に神経を集中させないようにいるみたいだった。

「ねえ、気持ちいい?」

私はシンジの耳元で息を吹きかけるよう、優しくささやいた。

「意外と大きいでしょう。ねえどう?」

「や、やめてよアスカ。やっぱり今日は変だよ。」

「ねえシンジ、私は冗談や遊びで言ってるんじゃないわよ。だからそんなに我慢しなくて
いいのよ、本当は私としたいんでしょう?この前、キスはしたじゃない。」

「あれは、アスカが・・・・」

振り返ってさらに言葉を続けようとするシンジを、私はキスをする事で黙らせた。
シンジは慌てて唇を放そうとしたけれ、離す前に後ろに手を回してきつく抱きしめる。
そして、堅く閉じている唇をこじ開けるように舌を入れてシンジの口の中を貪った。
しばらく味わったあと、唇を離すと混じり合った唾液が糸を引いているのが見える。
それが見えると、なんかただのキスなのにか卑猥な感じした、でもこれからする事はもっ
と凄いのに。
そのまま、シンジを抱いたままベットに押し倒すと、もう一度キスをして唇を塞ぐ。今度
はあまり抵抗しなかったので、抱えていた手を離すとボタンを外して着ていた上着を脱ぎ、
ブラジャーのスナップも外した。
ブラジャーが下にずれると、年齢の割には大きい胸が現れた。

「ねえ?シンジ私の胸って大きいでしょう。」

その時になってやっと唇を離し、シンジの顔を見た。
私はその顔を見て、恐怖した。
その顔には哀れみのが浮かんでいたのだった、そしてシンジは私の目を見つめたまま静か
にでも力強く話しかけてきた。

「ねえ、アスカどうしたの?なに、そんなに怯えているの?」

その言葉を聞いて私は反射的に、シンジの顔を叩いていたそして、

「なに、同情してるのよ!」

と叫んでいた。

「でも、アスカが泣いてるから。」

「・・・・え?」

私が手を目元にやると、確かに涙を流していた。それも、こぼれるくらいに・・・

「うそ・・・・・・・・」

私は信じたくなかった、自分が人前で涙を流す事に。いや、シンジに涙を見せていた事に。

でも、窓ガラスに映る自分は、まるで子供のように涙を流していた。
・・・どうして、もう泣かないて決めたのに。

「ね、アスカ落ち着いてよ。お茶でも入れてくるから、ちょっと待っててね。」

そう言うと、シンジは部屋から出て行こうとした。でも私の事を心配した、のではなくコ
コから逃げ出そうとしているのが解る。

「待って。」

「え?」

私はシンジの手を捕って引き留めた。

「待って、言ったのよ。なんで逃げようとするのよ!」

「・・・・・・・・・・・・」

「なにが、お茶を入れてくるよ。本当は私から逃げようとしてるくせに。」

「・・・・・・・・・そうだね、確かに逃げようをしたね。」

そこでシンジはまた同情、いや哀れむ目で私の事を見ながら続けた。

「でもね、今日のアスカはなんか変だから。一人にして、落ち着かせた方がいいと思った
から。」

「・・・・・・・あんたに私の何が解るて言うのよ。」

「え?」

「あんたに何が・・・・・・・・・・」

私は自分がまた泣いているのが解った、でももうシンジの前に居るのが辛かった。
ベットから立ち上がると、自分の部屋へと走っていた。
後ろからシンジが

「アスカ!」

と言って追いかけてきたけど、一足早く部屋に入ることができた私はドアを閉めて鍵を閉めた。
扉に寄りかかると肩を抱いて、そのまま座り込んだ。
部屋の前まできたシンジが「ねえ開けてよ、アスカ。」と言いながらドンドンとドアを叩
いている。
それを背中で感じながら絞り出すように「お願い一人にして。」と言った。
でも、その声が自分でも泣き声になっている事に気がつく。

「わかったよ、でも何か用があったら遠慮なく読んでね。」

シンジも声と、私が少し落ち着いてる事に気がついたみたいでそれだけ言い残すと自分の
部屋へと戻って行った。
でも、少しして私の部屋の前まで戻ってくると静かにお盆に載せた物を置いていく音が聞
こえた、でも何も言わずにまた自分の部屋へと戻って行った。

「・・・・・・そうだよね、いつもシンジは私の事を守ってくれていたのに。」

そして私はまた声もなく泣いていた。
そうだ、何時もシンジは私の事を守ってくれていたんだ。
でも、それを気がつかなかったのは私だ。
何時も、何時も、シンジは私の事を静かに見守ってくれていたのに・・・・・・・
それに気がつかずに、今度は自分の欲望のためにシンジを使おうとした。
私は最低な女だ・・・・・


「・・・・・夢。全て夢ならいいのに・・・・・・・・・・・・」



そして泣き疲れた私は、静かに瞼を閉じた・・・・・・・・・・・








































「アスカ、アスカたらも〜う起きてよ!早くしないと学校に遅れちゃうよ!」

私はシンジの声で目覚めた。
思わず自然と辺りを見回してしまう、でも何度見回してもそこは私の部屋だった。
そして、かなり寝汗をかいている事に気がついた。
前髪はおでこにベッタリと付ているし、パジャマも少し湿っていて気持ち悪い。
そう言えば覚えていないけど、悪夢を見ていた気がする。
それも、かなり怖い悪夢だった。

「も〜う、アスカなに寝ぼけてるんだよ。早く起きてよ!」

「もう五月蠅いわね、バカシンジ!」

そして自然と何時ものように口から長年慣れ親しんだ言葉が出てくる、『バカシンジ』と。
でもそう口に出た後思わす安心してしまう、もう一度その言葉を口にする事が出来たこと
に。
ナゼだろう、何気ない一言なにのそれがとても心を安らかにしてくれる。
自分の居るべき所に帰ってきたんだ・・・・・・
そんな感じなのかもしれない。
でも言われた方は、そうではなかった。

「なんだよそれ!毎日毎日遅刻しないように、起こしに来てるのに。それが起こして貰う
方の態度なの。早く起きてよ!」

シンジはそう言と、一気に私が被っていた布団を。
でも、直ぐに顔をどころか耳まで真っ赤にして目をそらした。
そして小声で「ご、ごめん・・・・・」と呟いた。

「え?」

私は、シンジを見ていた視線をそのまま自分の身体にもってきた。
そこには、ボタンの全部外れたパジャマとブラジャーがあった。
もちろん、胸がモロにそのまま見えている。

「きゃ〜〜〜!エッチ!馬鹿!変態!しんじらんない!」

もちろんその後アスカのビンタが、シンジの顔に炸裂してさらに赤く染めたのは言うまで
もない。



こうして、私達の普通の一日が始まったのだった。




続劇(嘘)













− おまけ −

「アスカたら。せっかくしんちゃんが毎日迎えに来てくれてるのにしょうがない子ね。」

と母親のキョウコは洗い物をしながらいつものように呟く。

「そだな。」

父親のラングレーも新聞を読みながら同じく呟く。

「あなたも、新聞ばかり読んでないで早く支度をしてください。」

「解った。」

口ではそう返事をしていても、目はさっきから新聞を読んでいる。
でも片手でコーヒーを飲みながらなのはアメリカ人だからかもしれない。

「あなたも、いい年してアスカと変わらないんだから。」

「君の支度は済んでいるか?」

「私はもう何時でもでられますよ。会議に遅れてお小言を言われるのは、何時も私なんで
すからね。」

「キョウコはもてるからな。」

「はい、はい。バカ言ってさっさと着替えてくださいな。」

「ああ、解ったよキョウコ。」

こうして何時ものように、ラングレー家の一日が始まるのだった。






本当に続きませんよ!

と書いた所で後書きを・・・・・

コレて最初後半の夢オチの部分を考えついたんですけど、なんかつまらないので
前半部分を足しました。
でもなんか、前半はかなり・・・・・ね〜
な事になってますけど(^^;
この作品はベファナさんの雪の降る街に寄贈したので
そちらでも見ることが出来ます。


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