「なあシンジ、ちょっといいか。」

「いいけど、なんで。」

その日はいつもとと違い、僕・トウジ・ケンスケの三人で昼飯を食べていた。普段はこれ
に委員長やマユミやアスカが入るんだけど、なぜかトウジとケンスケが僕の事を屋上に連
れ出して三人で昼飯を食べていた。そして僕が丁度食べ終わった頃を見計らってそうトウ
ジが切り出した。

「打ち合わせだよ、打ち合わせ。来週、文化発表会があるだろ。俺達の出し物を決めなく
っちゃな。」

「文化発表会か。」

そうだ、NERVの訓練で忘れていたけど、文化発表会が来週に迫っていたのだ。
去年は文化発表会に向けて地球防衛バンドを二回結成したけど両方とも使徒の所為で、文
化発表祭ライブを開けないまま終わってしまっていた。
でも今年は使徒も来襲もなく二人の提案で地球防衛バンド再結成へ向けて、僕たちは動き
出した。でも重要な問題が一つあったそれはボーカルを誰にするかだった。

「問題はやっぱボーカルだよな。」

ケンスケが持っていた紙パックをゴミ箱に投げ捨ててながらそう宣言した。

「男だけのバンドなんて、クリープを入れないコーヒーみたいなもんだよ。そうだろうト
ウジ。」

「そやからワシは、男らしいバンド目指したいゆうとるやんか。」

トウジが箸を口にくわえながら反対する。

「ナンセンスだね。美人でいかすかわいこちゃんのボーカリストは、メジャーを目指すた
めの必須条件さ。」

やれやれといった表情でケンスケが言い返す。

「ほんじゃ、どないすんねん。」

「今から用意するのさ。」

「おっ、心当たりでもあるんか?」

「もちろん委員長だよ。ほら最初は委員長がボーカルの予定だったろう、だから今回もぜ
ひお願いしようと思うんだ。」

ケンスケは眼鏡の縁を持ち上げながら、当たり前だろうといった顔をしながらそう言った。

「それやったら、ワイは山岸がええの〜。前回は山岸がボーカールの予定やったやろう。
だから今回は山岸に決まりや!」

トウジはそれが気に入らなかったのか山岸さんを推薦した。確かに委員長も山岸さんも僕
らの地球防衛バンドのボーカルをする予定だったから良い考えだけ、問題ははたして今回
もボーカルをしてれるだろうか?

「委員長!」

「いや、山岸はんや!」

僕が一人考えに沈んでいるうちに、二人はボーカルをどっちにするかでつかみ合い寸前ま
で対立していた。このままでは本当につかみ合いの喧嘩になりそうだったので僕は二人に
の間に入って止める事にした。

「やめてよ二人とも。ボーカルの事はちゃんと話し合ってきめようよ。」

止めに入ると、トウジは僕の顔を見ながら変な顔をした。うう・・なんか嫌な予感がする。

「そうや、この際シンジのボーカルをどっちにするか決め手もらおう。それなら文句ない
やろう、どうやケンスケ?」

「そうだね、この件はシンジに一任しよう。」

「え、僕が決めるの?でも・・・・・・・」

僕はあまり自分で決めたく無かったけど、さっきまでの二人を見ていると僕がここで決め
た方が問題ないと思い決断した。

「じゃあ決めるね、ボーカルは・・・・・・・」




『地球防衛バンド再び』
華王

最近ど〜も、三バカトリオとヒカリとマユミの様子がおかしい。ついこの前まで7人みん
なで帰宅していたのに、シンジ、トウジ、ケンスケ、ヒカリ、マユミの5人が何かと理由
をつけて一緒に帰ろうとしない。
ファーストはまああの性格だから気にしてないだろうけど、私の場合はそうはいかなかった。
だから帰りの遅かったシンジを晩ご飯の用意をしている時に問いつめることにした。

「ごめん、アスカ。マユミさん達と一緒に図書室の整理を手伝ってたら帰りが遅くなっち
ゃった。晩ご飯まだでしょう、すぐにしたくするから待ってて。」

シンジはかえって来るなり、私の顔を見ないようにしながら晩ご飯を作り始めた。

「ふん〜そうなんだ、早くしてね。」

私はそう返事をすると、居間で寝ころびながら雑誌をパラパラと捲りながらシンジの様子
を盗み見した。晩ご飯を作っている後ろ姿からは何も感じられなかったけど、どうせ私に
隠し事をしてはずはだから問いつめることにした。

「ねえ、シンジ。」

「え、なにアスカ。」

「今日、図書室の整理で帰りが遅くなったんでしょう?」

「うん、そうだよ。以外と整理に手間がかかっちゃってね、こんなに帰りが遅くなっちゃ
ったよ。」

「そうなんだ、大変ね。で明日も手伝うの?」

「うん、そうだね。まだいっぱい残ってるみたいだし、まだ数日かかるかな?」

「そうなら私も手伝ってあげようか、明日はシンクロテストもなにもない日だから手伝っ
てあげるわよ。」

私がそう言うとシンジはしまった!ともろに表情に表した。

「あれどうしたのシンジ?図書室の整理が忙しいんでしょう?だから私も手伝ってあげる
わよて言ったのどうしてそんな顔をするの?」

私はシンジに微笑みながそう言った、でもシンジから見たら悪魔の微笑みに見えるかもし
れないけど。

「ねえシンジどうして?」

私はそう言いながらシンジに詰め寄った。シンジはこっちを向いたまま逃げようとしたけ
ど直ぐ後ろが台所だと気がついて、逃げられと観念したのかすべでを白状した。

「シンジのバカ!!もう絶交よ!

私はシンジから全てを聞くと、そう言ってひっぱたくと自分の部屋へと急いで戻った。
シンジが言うには、今度の文化発表祭で地球防衛バンドを再結成する事になってその練習
の所為で帰りが遅くなったそうだ。そしてそのバンドのボーカルにヒカリとマユミの二人
がヂュエットを組むことになったらしい。まあ、そんな事なら私に黙っていた事を除けば
それほど私が怒るほどの事ではなかった。だけど問題はシンジの最後の一言だった。

「なんで私に教えなかったのよ!それにボーカルなら私がやってあげたのに。」

私がそう言うとシンジは目をそらしてこう言った。

「アスカは歌が下手だから・・・・・・・・・」

この一言の後私はシンジをひっぱたいていた。



・ ・・・・・・くそう、文化発表祭をつぶしてやる。私はそう決心するとNERV本部へ
・ と出かけて行った。















そして文化発表会の当日。

「いよいよ当日やな!」

「ああ!準備は完璧だし、後は出番を待つだけさ!なあ、シンジ。」

ケンスケはそう言うと僕の方に振り返った。

「そうだね、ケンスケ。委員長とマユミさんがんばろうね。」

「「はい!」」

僕がそう言うと委員長とマユミは、同じ衣装のままユニゾンしてうなずきあった。どうや
ら練習の方もも上手くいったようだった。

さてそろそろ出番と思ったその時、爆音が響き渡った。

「うわっ!爆発音だ!使徒か!」

トウジがそう言いながら窓を開けて外をみる。でも使徒の姿はどこにも見えなかった。僕
らはナゼ爆発音がしたかと考えていると、スピーカーから放送が流れてきた。

『本日はNERVの意向により軍事訓練が実施される事になりました、生徒のみなさんは
指定されたシェルターに順序よく避難してください。繰り返します。本日・・・・』

「そりゃあんまりや〜〜〜〜〜〜〜」

静まりかえった教室でトウジの絶叫だけがこだましていた。





















― NERV指令室 ―

「ああ、そうだその通りだ。そのように処理してくれ。」

ゲンドウはかけていた電話を引きだしに仕舞うと、アスカの方を振り返って。

「それでいいのかね、アスカくん。」

と言った。が頭から血が流れていてかなり辛そうだ。

「まあ、こんなもんね。あ、あとこの事は秘密ね。もしばらしたら・・・・・」

「ああ、問題ない」

「じゃあね〜」

アスカはそう言うと部屋から足取りも軽く出て行った。

「いいのか碇。」

冬月がそう尋ねるが、ゲンドウと同じく頭から血が流れてる。

「・・・・・・」

返事が無い事に不審に思ったのか、冬月がゲンドウの方を向くとそこには机につぷしてい
るゲンドウの姿があった。

「無様なものだ・・・・・・」

指令室のなかで冬月の呟きだけがこだましていた・・・・・・








あとがき

まあ軽いギャグモノです。
なんかこのページがシリアスモノだと思われているみたいなので・・・・^^;
まああながち間違いではなんですけどね。
たまにはこんな風な作品も書きたくなったもんで書いてみました。
では。

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